小学校の音楽科の指導を考える

小学校の音楽専科は専門に音楽を学習されていない教員が指導することが多い。また専門的に音楽を学んだ教員も、合唱指導や合奏の指導、吹奏楽や金管の指導に自信が持てない教員も見受けられます。このブログでは音楽科の指導法のノウハウを共有するために書かれます。

初めての児童生徒への音楽指導について。

小学校・中学校の音楽科は行事ごとに、

校内全体の歌唱指導などを行うことが多いですね。

 

特に今回は赴任して初めて、児童生徒に対する時の、

歌唱指導について書いていきます。

 

今回私は、足立区の小学校にこの(H27年度)4月に赴任しました。

私鉄の駅から徒歩2〜3分の立地で、

児童数が非常に多く、4クラスごと有るマンモス校です。

 

新学期、入学式の準備で新6年生が登校するにあたり、

体育館で歌唱指導を行う様に要請されました。

 

時間は10分ほどです。

 

最初の音楽指導で行いたいことは、

・児童に教員として好印象を抱かせる。

・音楽科としての指導の方向性を示すこと。

 

 

はじめに旧5年の担任より、児童に紹介されました。

体育館に4クラス整列している様は圧巻です。

 

児童の様子は引き継ぎで伺った通り、

良い雰囲気の学年のようです。

 

ピアノの位置が体育館の中程なので児童の向きを変えなくてはなりません。

 

大きな声で挨拶し合い、

「さあ、ピアノの方を向いてください」と声かけします。

 

足立区では行事の際には区歌を歌唱します。

 

まず区歌の一番を歌唱させます。  ↓足立区のサイト区歌の歌詞

 

http://www.city.adachi.tokyo.jp/hodo/ku/aramashi/profile/uta.html

 

初めての指導では児童も緊張していますから、十分な声量は出ないことが多いです。

 

今回も歌声は聞こえるが、歌っていないものも多い状況です。

 

大きな声を出させるコツの一つ。

歌詞の一部、今回は「えがおひとのわ」の部分を歌わずに言わせます。

 

一番の途中、(一番を歌い終わってからでも良いです)で伴奏を止め、

「はい、やめて!」

「大きな声を出す練習をしましょう」

自ら大きな声で、

「大きな声で言います、えがおひとのわ」

歌では無く、音読のように大きな声で言わせます。

 

その時に音節を意識させるためにイントネーションや、切れ目をはっきり言います。

 

中には怒鳴るような声で言う児童もいますが、

それで良しとします。

 

「大きな声が出ましたね」

「それでは今度は歌ってみましょう」

「♪えがおひとのわ」

「さん、はい♪」(かけ声は何でも良いです)

 

いわゆる「頭声発声」では無くていいです。

イメージは「音程がついた声」

 

いい響きは声が出て来てから作っていきます。

 

このような練習をしたことが無い場合(ほとんどがそうですが)

児童がきょとんとしていますので、

児童の列に手拍子をしながら入っていき、

「はいもう一度!」

何回か繰り返した後に、

「それでは、続けて歌ってみましょう」

 

児童の中を回りながら、口が開いていない児童の前などで止まりながら、

自ら大きな声で歌います。

 

歌っているか確認する意味で、

立ち止まって児童の目や口を凝視する。

児童の口の方に耳を向けたりします。

 

一番の最後の方になったら、

ピアノの方に戻り、

「さあ、続けて二番を歌いましょう」

と声がけして伴奏付けながら、歌唱させます。

 

校歌に関しては、

児童にテンポを確認するために声がけしたりコミュニケーションします。

 

 

時間が限られているのでテンポ良く行うことが肝要です。

 

 

このように指導することで、歌唱指導が単なる歌わせるだけでなく、

「歌い方などの具体的な指導を行う」ということを、

児童にアピールします。

 

また率先と声を出すことで児童に声を出すことの抵抗感を和らげます。

 

 

専門が声楽でない教員の方は歌唱を行うことに、

抵抗感などが有るかもしれませんが、

まず教員が率先と音楽する姿勢を見せたいものです。